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2021年7月11日日曜日

筋トレはストイックなものではない

 ワクチン接種も終わったので、梅雨の合間、笠取山に登ってきた。ガラケイの歩数カウントでは3万2千歩。春の仙人ガ岳・赤雪山のときと同様に膝が痛くなることもなく、また降りてからのストレッチが良かったためか翌日の筋肉痛も軽くて済んだ。

写真は、まだ残っていたクリンソウの花、笠取山西、多摩川の水筋が途絶えるところ:水干、そして笠取山の東2024mのトップ。

内側広筋に効く筋トレの効果は大したものなので、同世代の人に吹聴し、何かというと勧めてきた。ところがぼくのお節介に対して、二人に一人は「筋トレはストイックだからとても」という反応をする。ぼくのようなせっかちでいい加減な奴でも、かれこれ17年も続けられ、かつその成果があるのだから、これはストイックなことでも何でもない証拠だと言っても余り信じてもらえない。

ストイックなものではないと僕が考えるわけをまとめてみた。

第1に、筋トレは対象とする筋肉の部位によって異なるものの、週に2〜3回行えばよい。これはいわゆる筋肉の超回復に48時間〜72時間かかるためだ。超回復とは負荷をかけられてミクロレベルの損傷をうけた筋肉が、うけた負荷に適応するよう以前より筋繊維が強くなって回復する生理的現象。

この時間は筋肉によって異なる。大腿四頭筋、ハムストリングス Hamstrings、脊柱起立筋、広背筋は72時間、大胸筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋は48時間(もっとも腹筋とかふくら脛は24時間とも言われている)。つまり必ずしも毎日やる必要はなく、2日おき、3日おきにやるだけでよい。

第2に、トレーニングの時間はそれぞれの筋肉につき5分からせいぜい10分と短い。始める前にストレッチやウォーミングアップをするのが理想的だが、これはそろそろ筋トレの時刻かなと思ったところで、身体を曲げたり伸ばしたりすれば済む程度のことで、どんな運動をするときにも誰もが無意識に行っていることだろう。

1セットで8〜12回反復できる重さの動作を、間に30秒から2分の休みを入れて、2〜3セットというのが、筋トレの基本パターン。上げるのに2カウント、下げるのに4カウント。つまり1セットはせいぜい1分から1分半。


第3に、「筋トレは裏切らない」。3ヶ月続ければ必ず身体に変化を感じ、6ヶ月たつと外見のうえでも筋肉が増えていることが分かる。まともに数年続けていれば、首から下はミケランジェロのダビデくらいになる(と思うのは僕の自惚れかもしれないけれど)。

まともに続ける上での注意点は、何よりも (1) フォームを守ること、そして (2) 目標とする筋肉に意識を集中し、(3) 動作にあわせてゆっくり呼吸すること(押すときに息を吐き、引くときに息を吸う)。

これまで筋トレをしたことのない年寄りは、まず脚の筋肉から始めると良い。ころんで寝たきりになると、全ての身体機能が雪崩を打って衰えるので、ころばないために大腿四頭筋、ふくら脛、ハムストリングスの筋トレに、この順で取り組むのが良いと思う。大腿四頭筋が強くなると歩くときの踏み込みが安定する。ふくら脛が太くなると歩く際の疲れが減り、ペダルをこぐのが楽になる。そしてハムストリングスが強くなれば歩くときの後ろ足の蹴りが安定する。

月曜と木曜に大腿四頭筋のためのスクワット。火曜と金曜にふくら脛のためのカーフ・レイズ Calf raise(文字通りふくら脛の上げ下げ)。水曜と土曜にハムストリングスのためのレッグ・カール Leg Curl(うつ伏せになって、両足の間にペットボトルなどを挟み上げ下げする)か、ダンベルをもってのデッド・リフト Dead Lift。

それぞれほんの5分くらいのこと。ストイックとは程遠い。