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2008年5月31日土曜日

菅谷城址と丸木美術館



「厚生補導」というふざけた名前の行事の一日。今年は、1年生の学生たちと武蔵嵐山の菅谷城址と丸木美術館を見てまわる企画だ。
ぼくが言い出し、同僚二人に加わっていただいた。

学生さんには概して好評だったようだ。なんせ、前者では日本中世史の専門家Sさんが、菅谷館の城塞としての構造を実地に解説してくれるのだし、ホトトギス等がやかましいほどの緑の下を歩いて行った後者では、貸し切り状態でゆっくりと「原爆の図」を見ることができたのだから、これで不評だったら困る。

ぼくはといえば、「原爆の図」に全身で見いっている学生さんたちを見て、その若いひたむきな様子に感動した。

2008年5月26日月曜日

臨界点を越えたのか


昨日と今日、NHKスペシャル「北極大変動」を見ていて憂鬱になった。

何万年もの後の太陽の「爆発」は、余りに遠い先のことでもあり、いま現在の我々の日々の営みには影響しない。しかし、この10年も立たない間に夏の北極海の氷が4割も減り、このまま行けば今世紀の半ばには夏の北極海から氷原はなくなるとの科学者たちの予測には参ってしまった。

氷が薄くなった北極海では、海底の資源開発がやりやすくなって、天然ガス産出が急激に伸びているという。二酸化炭素排出はいよいよ拡大し、温暖化は加速する。これこそ clear and present danger (今ここにある危機)というやつではないか。

番組には、「高い賃金で、きっと私たちの子どもたちもここで働くでしょう」という海底油田基地で働く労働者や、「天然ガスを産出するだけでなく、一方で二酸化炭素を海底に封じ込めも進めている」という技術者、そして「今後、現在の埋蔵量の4倍を我々は手にする」と言ってのけるガスプロムの幹部が映されていた。

今日の夕刊によれば、G8環境相会合では、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年には半減するため、「先進国は50%を大幅にこえる削減」するとの議長総括案に米国政府は反対した。ミャンマーの軍事政権もひどい。しかし、温暖化の現実を前にしても自らの政権基盤の利害を全世界を相手にふりまわす米国政府も、かなりひどい。NHKクローズアップ現代では、その米国では南部を中心に水の供給が危うくなっており、また今年だけで百以上の竜巻が起こり大勢が亡くなっていると伝えていた。

「後は野となれ山となれ」なのか。改装のなった勤め先の教室では、今日も学生たちが昼間から明かりをつけ、エアコンを使っていた。

2008年5月15日木曜日

サイクロンと大地震と



自然災害とはいえ、明らかに社会的要因から被害が大きくなっている。独裁的政権であるがための防災施策・インフラの脆弱さ。外国からの援助に対する拒絶や制限。ビルマでの巨大サイクロン発生には温暖化が影響しているだろう。四川への中国政府の素早い対応の背景には、チベット系自治地域であること、そして沿岸部と内陸部との大きな格差問題があるだろう。

被災した人々の姿を見るのは辛い。がれきに挟まれて助けを待っている子ども達の映像は、胸に迫ってくる。自分たちと同じ生身の人間がそこで苦しんでいる。何とかできないだろうか。これを惻隠の情というのかどうかは知らない。しかし、どうしてもそうした思いが湧いてくる。

思いがあれば必ず何かが実現できる訳ではない。しかし、思いがなければそれは実現できないことだけは確かだ。しかしまた、遠くにいて思うこと。それで一体、何ができるというのか。それは「何ができるか、どうすれば良いか」を考えることだけなのか。ぼくは二つのNGOの会費を払っているだけの名目会員だが、改めて居住まいを正している。

秋ケ瀬公園のハリエンジュ(ニセアカシア)の花の盛りは終わった。この木は明治期に日本へもたらされ、河川の周りなどで繁殖したそうだが、根が浅いらしい。そのため数年前の集中豪雨では、たくさんが根こそぎされて流され、橋などに被害をもたらしたという。

2008年5月7日水曜日

豚ニラ大根



連休が明けて研究室に行ったら、すっかりハナミズキは終わっていた。窓からは緑ばかり。
近くの鴨川というどぶ川の土手では、桐の花が満開になっていた。体調も良くなったので、そこいらを歩き回りたいのだが、引越の積み残しや、病気で休んでいる間にたまった仕事が山積している。

新鮮なニラが出回り始め、春の大根も安い。そこで一つ鍋で作る突貫料理を紹介する。

用意するものは、よく洗った大根、豚の薄切り、ニラ1束、生姜や長ネギ、植物油かごま油、そして醤油。大根と豚肉の割合は、大根半本に豚200グラムといったところ。これは中華風の料理で、中華鍋一つでやる。僕は家庭で直径33cmのものを使っている。
 
まず大根を3~5cmくらいに輪切りにし、それを縦半分に切ってカマボコ状にする。このカマボコ状大根を伏せ、その縁の円周から半円になった切り口の中心(扇の要)に向けて、つまり大根の縦方向に包丁を入れざくざくと薄切りしていく。皮は剥かない。切り口の扇が70度以下になると切りにくくなるが、要は同じ位の大きさと厚さに切れればよいので、厳密に考えない。豚肉は食べやすい大きさに切っておく。脂身が気になる人は取り除いておく。

ここまで準備ができたところで、鍋に油(できたらゴマ油)をひき熱する。熱する間に生姜の薄切りか長ネギの小口切りをつくって、その適当量を熱くなった油に入れて風味をとる。風味をとった後の生姜やネギは取り出しておいたほうが仕上がりは上品になるが、忙しい時は取り出さずそのままにして次に進む。豚薄切りを入れ、直ちに醤油を適当量加え、肉にしっかり味付けする。

醤油が焦げつく前にどばっと大根を入れ、大きく混ぜはじめる。強火。原則として醤油は追加しない。大根から水分が出てくるので焦げることはない。きちんと混ぜないと大根への味つきにむらができてしまうので、ひたすらにワサワサと大きく混ぜる。大根がしんなりしてきたところで、ニラをザクザク切ってドバッと加える。ニラが少ししんなりしたらできあがり。ニラに余り火をいれるとおいしくない。この間ずっと強火。好みに応じてごま油を足して味を加減する。

大根と肉の用意ができたらあとはひたすら炒めるだけの単純料理。要領よくやれば20以内にできあがる。

2008年5月6日火曜日

オナガアゲハ



まずまずの連休で身体も随分に休まった。筋力トレーニングもそろりそろりと再開した。

久しぶりに近所の市立図書館まで、貸出し期限をこえてしまった(ご免なさい)本を返しに出かけた。病いで休んでいたときに読んだ本、佐藤亜紀『ミノタウロス』(2007年、講談社)、アッティラ・チャンパイ編、ディートマル・ホラント編、戸口 幸策/リブレット対訳、畔上 司/本文訳『名作オペラブックス1・モーツァルト.フィガロの結婚』(1987年、音楽之友社)など。

前者は、良く書き込まれていて一気に読ませる作品だった。しかし、主題は暴力の肖像とでもいったところ。病身には何とも後味が良くなかった。

後者は、実に楽しかった。まあ、大好きな人についての噂話を聞いている楽しさといったところか。しかし、こうした大傑作が相手だと、人はついおしゃべりの度が過ぎてしまうのだろう。天使を狂言回しに登場させる昨年だか一昨年だかのザルツブルグ音楽祭での演出は、あれこれひねり回しすぎて妙なことになってしまっていた、、、そんなことを思い出した。

図書館へ行くまでの団地の通りでは、マロニエの花が盛りだった。こういうバター臭い樹はこの国では好きになれない。しかし、若葉は輝くばかりで、少しクリームがかった白い花がずっしりと咲き誇っているさまは、それなりに見事という他はない。立ち止まってぼんやりと花を眺めていると、日差しを受けた中をオナガアゲハが何頭も飛びまわっているのに気づいた。つい孵ったばかりだろうか、まだ小型だ。あわててデジカメを向けたが、その楽しげに飛び回る様子を捉えることはできなかった。

2008年5月4日日曜日

新緑



悲しいことがあっても、自然界は移り変わって行く。今年は早く春が過ぎて行く感じがする。学内の緑が滴るように美しい。なぜ緑が美しく感じるのか。そんなことは考えずに、ただひたすらに緑を楽しんでいる。