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2010年6月6日日曜日

ガザ支援船団襲撃をめぐる宣伝戦


ガザに救援物資を届けようとしていた人道支援他団体の船団を、イスラエルの特殊部隊が公海上でまったく一方的に襲撃し、アメリカに次いで親イスラエルとされていたイラン船籍の船では、何と9人が殺された。大勢が負傷し、全員が「不法入国」と理由に拘束された。

さすがにイスラエル政府内部からも、これはPR戦での失敗との批判がおこっているらしい。
威嚇射撃によるガザ接近を阻むくらいのことは、予想されていた。しかし、かくもあからさまな国家テロが行われるとは、常軌を逸している。

http://english.aljazeera.net/video/

なぜこのような蛮行が公然と行われるのか。国連総長の腰の引けた声明、クリントン国務長官の事実調査を求める声明。この程度の反応しか出てこないと見通せる程のメディアでのイスラエルの圧倒。「昨年春のガザ攻撃に比べれば大したことはない」「あの時も大手マスメディアは“客観報道”に徹しておとなしかった」とイスラエルの政府と軍部はタカをくくっていたのだろう。


メディアでは圧倒すればよく、相手方の言論は無視し、こちらの報道の彼方に隔離してしまえばよい、反論する必要はない。これが当今のメディア戦術なのだろう。それでも、Avaazという国際的な運動団体などは、ガザ封鎖の解除と今回の襲撃の全面的調査を求めるアッピールを出して無視できない声を作ろうとしている。呼びかけから1日で、すでに20万の賛同が集まっており、その数は刻々と増え、もうすぐ50万に達しようとしている。このサイトを見ていると、文字通り地球は丸く、運動は国境を越えて広げることができると感じられる。

http://www.avaaz.org/en/gaza_flotilla_8/?cl=596803833&v=6436


当のイスラエル国内でも、政府を批判する街頭行動が広まっている。インターネットもばかにならない。

http://www.youtube.com/watch?v=LH5sXyrCFHo