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2010年8月15日日曜日

美しさと虚しさ



東京湾大華火祭なるものの花火が遠くに見えた。先月末の隅田川花火も見えたが、これはよくなかった。雨が続き、花火自体が湿っていたこともあったらしい。

目をこらしていると、近くに建ったビルの脇に花火があがり、しばらくしてからドンと音が届く。最近の流行なのだろうか、緑青のものが目立った。いかにもカネがかかっている風情。

すぐさまに消えてしまう美という点では、花火に優るものはない。それだけに贅沢な気分になれるのかもしれない。贅沢でありながらスポンサー以外の多くの人がタダで見ることができるという気前の良さ。束の間の公共経験? 

若い頃は音が聞こえようなものなら単純に嬉しがり、良く見えるスポットを探して夜道をあたふた駆け回り、蚊に刺されるのもものともせずに楽しんだものだった。しかし、最近は「今このご時世に大花火大会かよ」と、どうも素直に楽しめない。我ながら嫌らしいジジイになったものだ。