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2011年6月24日金曜日

知性の悲観主義はやさしいが、、、

夏至になった途端に暑苦しくなった。東電は嬉々として電力需要が4千万kwを上回り「想定を超えた」と宣伝している。


授業のために教室に入ると、窓が閉められガンガン冷房がかかっている。設定温度を見ると22度。「どうかしているんじゃないか」と僕が言うと、不満で一杯の視線が向けられる。


「地球温暖化をこれ以上進めないためには、私たち自身が余計な化石燃料の使用を控え、再生可能エネルギーを計るよう、身時かな生活から見直すことが大切です」。311の後、今後のエネルギー政策について討論すると、まずは判で押したようにこんなことを言っている学生たちがこの有様だ。


研究室の向かいにある演習室も、授業で使っていないと学生が入り込み、ブラインダーを下し、昼間から明かりをつけ、冷房をかけている。注意するのも疲れた。**採用試験の勉強のためという「大義名分」が彼らにはあるらしい。おそらく、その面接でも問われれば上のようなことを言うのだろう。


福島第一の1号炉の核燃料は、格納容器や建屋の床も突抜け地中に落ち地下水を汚染し、高線量に汚染された冷却水も海中に流れ出ていることは確かとのこと。せき止めるためには地下30m以上にまで掘って遮蔽する地下ダムを作ることくらいしか打つ手がないようだ。東電や保安院は、「地下水は年間5mくらいしか動かないので急ぐ必要がない」との口実で、26日に予定されている東電株主総会前にこの遮蔽壁対策(約1千億円)を公表しないことにしたという。


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110620k0000e040050000c.html

http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/20/小出裕章氏提言「地下ダム」政府が準備中。だが/


エレベーターで、今月生まれたM子ちゃんに会った。食べてしまいたくなる程に可愛い。元気がでる。しかし、こんな酷いことにしてしまった世界に生まれてきた彼らに、僕たちの世代は一体何ができるのだろうか。


この様変わりした世界におかれると、僕のような浅はかな者でも、悲観主義を容易に引き受けることができる。しかし、元来能天気だった意思が、楽観主義に立つことは実に難しい。