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2012年5月5日土曜日

グロスマン『人生と運命』

連休の後半はグロスマン漬けになっている。帯状疱疹の後遺症なのか、気温が下がるとてきめんに頭痛や目眩がきつくなり、頭を立てているのが辛くなる。これをよいことに、ひたすらに読み進んでいる。

小説の味わいと、思想書の深さに充実した時間が過ぎていく。厳しく辛い時代を扱っていながら、グロスマンが暖かく描き出している人物のほとんどは、実に身近であり高貴だ。どうしてなのだろうか。ゆっくり味わいたい、もう少し考えたいところが次々に出てくる。しかし今はページを繰るのを止めることが難しい。多分、数年後に読み直すだろう。
斎藤紘一さんの訳は実にこなれている。ありがたい。