2008年4月22日火曜日

名古屋高裁の派兵違憲判決

注目される判決が、4月17日に名古屋高裁で出された。
「自衛隊のイラクでの空輸活動は憲法違反」、「平和的生存権は憲法上の権利」とはっきり認める判決が出たのだ。

この種の派兵差し止め訴訟は全国でかなり起こされて来た。しかし、派兵の違憲性を確認しろとか、派兵を差し止めろとか、派兵による損害を賠償しろとかいう形での訴訟は、現在の日本の訴訟制度では無理がある。のみならず、今の裁判官のあらかたは、こうしたもろに憲法問題に関わる提訴については、法廷でまともな審理はしないと撥ね付けたり、逃げ回るのが圧倒的多数だ。

判決で勝てなくても、公判の過程で問題を明らかにし、多くの人に訴える手がかりがあるならまだしも、そんな見通しもないのなら、こうした提訴は人々の善意の力を浪費することになる。そう僕は考え、この種の差し止め訴訟に加わることを求められても断って来たし、意見を求められればこのように言ってきた。

僕が予想したように殆どの派兵差し止め訴訟は、実質的審理もされないまま敗訴した。ところが、今回の判決である。当然というべきか、判決主文では完敗している。ところが、裁判所は判断理由のあらかたを使って派兵の違憲性と、平和的生存権の権利性について明言しているのだ。被告の国は勝訴しているので上告できず、「敗訴」した原告も上告しないから、この判決は確定する。

少し僕は反省した。「こういうこともある。どうして可能になったのだろうか。どういう効果があるだろうか」などなど。

判決をまとめた青山邦夫裁判長は、この3月末で裁判官を辞しているという。派兵を支持する側からは、「最後っぺ」判決という非難もあがっている。昨年も違憲判断をした裁判官が判決後に定年を残して退職している。考えなくてはならないことは色々とありそうだ。

なお、判決の原文は、次のサイトでpdfファイルで読むことができる。長沼判決ほど長いものではない。多くの人が読んでほしい。

http://www.haheisashidome.jp/hanketsu_kouso/

判決要旨のpdfファイルは次で見ることができる。

http://www.news-pj.net/siryou/pdf/iraku-nagoyayoushi_20080417.pdf

全国の弁護士達もこの判決を肯定的に評価している。たとえば、日弁連会長の声明は次で読める:

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/080418.html