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2008年4月28日月曜日

別れ


土曜午前中、気持ちよく暖かで穏やかな日差し。体力も回復してきた感じがするので、数週間ぶりにN農協直販所に野菜の買出しに行った。

トマトやナスなどの野菜の苗も売り出していて、いつになく長蛇の列。帰宅するとたったこれだけのことなのに、疲れがどっと出てきた。メンタイコ・スパゲッティに買ってきたばかりのカキ菜を軽く炒めたもの。食休みしていると電話。

何と電話はイタリアはFのInesから。Ilaresが今朝亡くなったという。10年前にF近郊でのブドウ摘みで知り合って以来、Fに行けばいろいろと世話になってきた友人だ。4年前にALSに罹り、2年前に気管支を切開して呼吸器をつける生活をおくっていた。昨夏、ようやく見舞いに行くことができた。「来春には来れない。でも、また会うまで元気で」と言って別れた。最後に彼が言ったのは、「運転はTのほうがうまいから彼に任せろ」というInesへの軽口だった。

覚悟はしていた。しかし、辛い。Inesは「Ilaresはもういないのよ」と言った。Fに想いを馳せるとき、僕はいつものように心の中でIlaresと会話していた。胸に哀しさがこみ上げてくる。