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2008年8月17日日曜日

戦後民主主義教育

余儀ない事情があって、書籍を含め持ち物の処分を始めた。
これは今後の人生をどう送るかの覚悟を決めていく過程の一部でもあるのだろうが、まずはこれまで自分が送ってきた人生と向き合う作業であって、実に精神的負担が重く大きい。作業は同時に本やノート、ファイルの山を動かしたり、あれこれのガラクタを引っ張り出す肉体作業でもあるので、この暑さには体力面でも厳しい。

そんな中で、中学校時代の生徒手帳が出てきたので、つい中を見てしまった。

開けるなり「わたしたちは、こんな人間になりたいな」という文が飛び込む。

生徒も 先生も 男の子も女の子も
正しいことは 正しいと
美しいものは 美しいと
ほんとうのことを 話し合いたい
困ったときは しかたがない
苦しいときは 誰かがやるさ
こんな気持ちをすてきって
みんなで 一人のことを考え
ひとりで みんなのことを思い
血のかよった 仲間になり
きょうを せいいっぱいくらし
誰も彼もが「生きていてよかった」
と言える 社会を作る。
わたしたちは
    こんな人間になりたい

名古屋市立城山中学校の1961年の生徒手帳だ。

あわてて高校のときの生徒手帳(何と物持ちがいいことか)を見ると、これまた冒頭に教育基本法の第3条までが掲げられている。
殆ど目頭が熱くなる思いだ。

実にぼくたちは戦後民主主義教育の申し子だったのだと思う。そしてそれを誇らしく思う。