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2011年2月12日土曜日

ウェブ2.0革命?

暮れのウィキリーク事件には振り回された。
そして今度は、チュニジアにエジプトの政治的激震だ。

およそ新しく出現するメディアは、従来のメディアに比べ民衆に対して、より抑圧的に機能することが一般傾向だと思ってきた。新聞に対するラジオ、ラジオに対するテレビ。読むのを止めたり、読み返して考える余地の大きな新聞に対して、一方的に流される音声、感情に働きかける音声。そしてテレビとなると、人の5感のうち最も鋭敏で認知に対する影響が最も大きい視覚を支配する。新聞よりラジオ、ラジオよりテレビは受け手をより一層に受け身にする効果があるのではないか。そして新しく出現するメディアは、それを立ち上げ維持する費用も旧来のものに比べ格段に高額になる。つまり、民衆の手から遠ざかり、民衆操作・世論操作の手段となりやすくなる。

それがかならずしも当たらないことを示すのが1月末以来の事件だろうか。アルジャジーラaljazeeraのサイトで見ることのできるタヒリルTahrir広場の人々の表情は、実に生き生きとし充実しており晴れやかだ。広場には6つの検問所が設けられ武器の持ち込みがチェックされ、仮設トイレや医療テントが設けられ、落とし物やカンパをまとめるセンターもできている(僕はつい1989年春の天安門広場を思い出してしまう)。


Facebook や Twitter は、のべつまくなしにそれをチェックしなくてはいられないような依存症を拡げるだけではないようだ。そこには、働いてその社会を支えている無数の人々の力と知恵を結びつけ、社会を変える政治力へ変える道具にもなる可能性も秘められているのだろう。ブログにもそんな可能性があるのかどうか、このブログも見直さなければならないのかもしれない。

それにしても焦っているのはアメリカ政府だろう。ムバラクがのらりくらりとし、軍が実権を押さえたのも、このまま米国のコントロールが効かない新政権が作られることを妨げるためだろうと思う。エジプトに米国の言いなりにならない政権が生まれれば、イスラエルは大変なことになり、親米独裁政権に依存した米国の中東政策は根底から覆される可能性が高まる。広場での民主化要求集会が始まった翌日にはエジプト軍の高官がワシントンに飛んでいる。オバマが民主化運動を支持しながら、ムバラク即時退陣について揺れたのも、ポスト・ムバラクについての方針を固めるまでの時間稼ぎだったのだろう。まずは自分たちが膨大な資金を投入し、最新鋭の兵器や技術を提供し、軍事訓練してきた育て上げてきた軍に時間稼ぎをさせる。このシナリオは、チュニジア、エジプトの民主化運動が、CIA などの予測をこえて突然に出現したためその中に政治基盤や手先を作ることができていない米国がとりうる唯一の選択肢だったのかもしれない。

http://english.aljazeera.net/

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html

http://markethack.net/archives/51687055.html