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2009年12月7日月曜日

神社仏閣の効用



久しぶりで休みを取り樹々の下、土の上を歩いてきた。
さすがに紅葉は終わってしまっていたが、自然の中に身をおくとド頭の髄までがほぐれてくる感じがする。

田舎道を歩いていたら、路傍に稚拙な「観光地図」があり、そこに**寺と書いてある。当節は、どこへ行ってもこの種の観光地図があるので、期待はしなかった。それでも建物や使われている用材が気になり初めている僕はその寺を訪れてみることにした。

山門があり、下手くそだけれど四天王か然るべき御弟子だかの、大きな石像が杉並木の参道に並び、その先に石段がある。登ってみると立派な御堂と何と三重塔がある。樹齢何百年という杉の大樹も気持ちよく空に伸びている。



古い建物に興味があるので、機会を作ってはその場に行って、建物の周りを巡ったり内部の空間体験を楽しんできた。中北部トスカーナ、ストラスブール周辺、そしてブルゴーニュの有名所は、文字通りしらみつぶしに見て歩いたことがある。しかし、どこでも建物とそれを取り囲む樹々との関係について深い印象をもつことはなかった(例外は、ミラーノの南のチェルトーザの修道院くらいか)。気候条件が違いすぎるのだろうか。

この国の神社仏閣が樹々に恵まれた空間の中にあることが少なくないのは、単に豊かな日照と水のせいなのだろうか。今頃になってこんなことを考え始めた。