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2009年12月2日水曜日

外交密約



外交密約がボロボロと出てくる。

今度は東京地裁で、72年沖縄返還時に外務省アメリカ局長だった吉野文夫氏が、原状回復費(400万ドル)肩代わりの密約があり、その額は積算根拠もない「掴み金だった」ことを証言した。37年前にこのことを暴露した外務省機密漏洩事件では、吉野氏は検察側証人として「密約はなかったと」法廷で証言した。彼は偽証罪に問われることなく、密約を暴露した毎日新聞記者の西山氏が、国家公務員法違反で有罪になった。

カリエールは『外交談判法』だかの中で、「敵に偽りを言って利益を得ようとする者は、敵から交渉相手としても信頼されないから、まともな交渉すらできない」といった趣旨のことを言っていた。さて、この国の外交官は、自国民に対しても嘘偽りを言うことが習い性となっているのだろうか。37年後とは言え、嘘をついたことを告白したから老人に対して目くじらをたてるべきではないという意見もあろう。しかし、この秘密は密約相手の米国では既に公開されていたことだった。

いかにも遅い。91歳という年齢がそうさせたとしたら、自己満足でしかないと言われても仕方ない。吉野氏はグァム移転についておかしいと発言しているのだろうか。