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2015年7月1日水曜日

68歳を記念して

今年の前半は、やり残した論文を書きあげようとジタバタしていた。憲法第9条制定の出発点となったいわゆるマッカーサー・ノート第2項の背景事情を明らかにしようとするものだ。

ところが、ことは1945〜46年の冷戦開始期の国際関係にかかわる。史料はアメリカ側に偏るとはいえ(僕はそれしか検討できない)膨大であり、先行研究も山をなし、冷戦後の現在の問題とのやりとりまで含めた熱い論争がある。

3月には政府与党の安保法制大改変の輪郭が明らかになり、予定通り4月には第3次日米防衛ガイドラインが出てきた。法案になって出てくるまでに終わらせようと馬力をかけ、小さくまとめようとしていた作業範囲は、逃げ水のようにどんどん遠ざかって行く。とうとう法案の分析・批判作業との同時進行になり、最終デッドラインとしていた今日の誕生日にも間に合わないという体たらくだ。

どこか基本的な生活設計がおかしいのかもしれない。気持ちをコントロールする上で邪魔になっているのは、「大変に大事な問題が今進んでいるのに研究にかまけていてよいのか」という脅迫感だ。

そんなとき、27日に渋谷であった若者たちの集会のスピーチを You Tube で聞いた。そして思った。反対運動にもかかわりながら論文に取組もう。その方が精神衛生に良いし、研究の効率も良くなるだろう、と。こんな楽観的見通しが成立つものか、それはかなり怪しい。しかし、やってみようと思う。そのためのペースメーカーとしてブログを再開することにした。