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2012年1月25日水曜日

白菜鍋、またはビンロー

この季節になると2週間をあけずに作る鍋がある。白菜に鶏モモ、春雨、干し椎茸、そしてごま油で作る。調理というほどの手間はいらない。しかし、おいしく食べようとするなら少し時間をかけた準備がいる。


大きな鍋、白菜(人数と鍋の大きさに応じて多めに)、鶏もも肉(1人分80gで十分)、干し椎茸、春雨、胡麻油を用意する。
1)干し椎茸を数個、(軸はとって)水に入れ戻しておく。春雨も戻しておく。
2)白菜の白い肉厚のところを葉の部分を分け、食べやすい大きさにザク切り。白菜の白い部分と、戻した椎茸と戻し汁を鍋に入れ、胡麻油を少々たらし煮る。
3)白菜の白い部分が柔らかくなったところで、白菜の葉の部分と、食べやすい大きさに切った鶏ももを鍋に交互に入れ、水を具が隠れるくらいに足して煮続ける。
4)大体が煮えたところで、春雨を適当な長さに(はさみで)切って入れ、火を止める。


醤油、ショウガ、ゆず山椒など好みのもので調味して食べる。白菜だけでも十分においしい。スープも実に良い。


鶏肉の代わりに豚の薄切りを使ってもよい。何れにしてもこの鍋では肉の役割は出汁を取ることなので、煮込んでも味が失われにくい鶏モモあたりが適当だと思う。干し椎茸や春雨抜きでもおいしく食べられるが、加えた方が格段においしい。春雨はデンプンで作ったまがい物(国産に多い)ではなく、緑豆から作った正統なもの(中国からの輸入品はこれ)でなくては悲惨なこと(鍋がぐじゃぐじゃ)になる。


僕は前日に椎茸を水に浸けておき、翌朝出る前に白菜の白い部分と鍋にかけ、春雨の袋に水を入れておく。こうすれば帰宅しててから3)以下の作業だけで直ぐに食べられる。


この鍋のおいしさは、白菜のグルタミン酸(アミノ酸系旨味)に肉のイノシン酸と椎茸のグアニル酸という核酸系の旨味が加わり、相乗効果を発揮することによるとのこと。このレシピは妹尾カッパの本で知った料理「ビンロー」の長年の経験による改訂版。