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2012年4月28日土曜日

気分転換ばかり


国立博物館に「ボストン美術館 日本美術の至宝」展を見に行った。目玉の平治物語絵巻三條殿夜討巻はさすがだった。吉備大臣入唐絵巻は絵も面白かったが、詞書のかなが美しく楽しめた。宣伝している曽我蕭白は、受けを狙った構えがみえみえで技法も高くなくつまらない。

それにしても混んでいる。本館へまわって平治物語絵巻の六波羅行幸巻と見て早々に帰った。


ワシーリー・グロスマン『人生と運命』を読み始める。ナチズムとソビエトの全体主義体制は似ているが、体制の公認教義がヒューマニズムを肯定しているか否かの点だけが異なるといった指摘を思い出した。実に暖かで豊かな人間の描き方なのだ。今のぼくの気分にしみ入るように応えてくれる。1巻だけでも500頁はあるのだが、読み出すと止めるのが難しい。