自民党の改憲案が発表された。中学生並みの内容。内容に目をつぶるとしても、「あなたは日本人か」と言いたくなる程のひどい文章。なまじきちんとした文章ではアッピール効果がないのかもしれない。唯一評価できるのは、サンフランシスコ条約発効60年を意識したこと。昨今の護憲派が60年安保ばかりを標的にし、昨年の9月8日の調印60年をろくに記念しなかったことよりも、この点はましかもしれない。
「衆参対等統合一院制国会実現議員連盟」(民・自・公・み)120人も憲法42条改正提案を衆院議長に提出したという。みんなの党も改憲構想を出したらしい。いずれも、首相公選、参議院廃止、改憲発議要件の緩和を主張する橋下・維新の会が先鞭を切った動きに連なるものだろう。現状では、こうした内容の改憲が発議されるまでになる可能性は極めて低い。しかし、フラストレーションを高めている財界と「スピード感ある政治」を求める「民意」とが政治的に合流合体したとき、それは現憲法の改憲手続き条項を越えた形での突破力になるかもしれない。