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2010年4月16日金曜日

官庁の建物は誰のもの?



学生たちと裁判傍聴へ行った。昼食を向かいにある中央合同庁舎第2号館の食堂でとろうと行ってみると、「食堂だけの利用はお断りしています」と言う。「この前には入れたではないか、どうして」と理由を尋ねると、「この4月からそうなったのです」と答えるだけで、理由を説明しない。「どこかに予約があるとか、用務があるなら行き先を書いていただいて、、、」と、にこやかな表情で頑として立ちはだかる。「これまでは入れました。ですから、見学に来たのです」と言っても、「ただの見学だけでは駄目です」と言う。「どうしてですか、理由を説明して下さい」と僕もにこやかに尋ねる。「一寸お待ち下さい」と引き取り、あちこちに電話をして待たされる。漸くある部署に繋いでもらい担当者と話しをする。この間、約15分。やっとのことで、「今回だけは」とかいう例外扱いで入ることができた。

やっとのことで入れたロビーは、21階の上まで吹き抜けていて、美しいとは言えないまでもその空間に身をおくと「おっ!」と思わせるものがある。そこで写真を撮ろうとすると、今度は無愛想な表情を少しも変えないアラフォーの男性が出てきて、「ここではマスコミのぶら下がりもカメラは回せないことになっていますから」と言う。「私たちはマスコミではありません。どうして駄目なのですか?」と尋ねると、「撮ってはいけないことになっていますから」とナリマス節を繰り返す。

確かに身元も分からない不特定多数が、中央官庁の中枢が入っている建物内を動きまわることがあっては、困るかもしれない。しかし、中央官庁といえども国民の機関であり、それが入っている建物は国民の財産である。まずは国民に開かれているのが原則であって、門戸を閉ざすのはその合理的必要性がある場合に限られるというものではないのか。それにまた、せめて一階ロビーだけでも公開しておくことは、宣伝のためにもうまいやり方ではないのか。いわんや記念写真くらい何の支障があるのだろうか。