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2010年4月18日日曜日

隠れて生きたい




先日、有楽町を歩いていたら街頭インタヴューを受けた。若い精悍な男性が「3分お時間を下さい」といってマイクを向けてきた。ジャーナリストの仕事や生活が危うくなっていることについて。どうせ番組に載ることはあるまいと、良心的なジャーナリストへのエールのつもりで好き勝手なことを喋った。3分が5分になり、気がつくと10分くらい掛け合いで「演説」をしてしまった。

それが、今朝、「どうせ流されないだろう」とTVをつけていると、何と何と。5〜6人出てきた最後にどうやら自分の顔らしいのが出てきた。あきれてポカンとしている間の2〜30秒くらい。「へぇー」と驚いていると家人の曰く。「あなたに良く似ていたわよ」。そう、僕に似たどこかのおじさんが何やら喋っていた。まぁ、日曜の朝からTVを付けている人はそうざらにはいないだろうから、と思うものの何やら不安になってくる。息子殿の曰く、「けっこう見ている人っているもんよ」。

憲法などという分野を看板にしていることから、改憲問題などで研究者の社会アピールをどうマスメディアに載せるか苦労したこともあるし、新聞等の片隅に出たこともある。みっともなくても、それも仕事のうちと割り切ろうとしてきた。しかし、不特定多数の前に自分の姿を出すことは、やはりどこか気恥ずかしいところがあることには変わりはない。

公共の世界とは一線を画したところで、気心の知れた友人とお酒でも飲みかわしながらお喋りをしているのが僕の身の丈にはちょうど良い。さてはて困ったことだ。