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2010年4月2日金曜日

演歌への抵抗感


図書館で、偶々テレサ・テンのCD(85年のNHKホールでのLast Concert とある2枚組)が目に入ったので借りた。歌唱力も表現力もある。声も魅力的だ。バックの演奏も良い。なるほど。

しかし、どうにも日本の演歌には抵抗を覚えた。メロディーも彼女の歌いっぷりも良いのだが、如何せん歌詞がげんなりする程にまずい。高度成長時代の「男の甲斐性」とやらで頑張ってきて、しかし普通にある人生の蹉跌の中で、「偉いさん」になれなかった/ならずに「俺の何が悪いんだ」と呟いているオトコが喜ぶような(うーん想像力が足りないか)、「そんな都合の良い女がいるのかい」というようなジェンダー・バイアスのかかった歌詞なのだ。

という次第で、中国語の歌の方が楽しく聞くことができた。まぁ、歌詞がよく理解できない西欧オペラも同じか。シャンソンやカンツォーネの類いにしても、「魔笛」なんぞも女性蔑視、political correctness を疑いたくなるような台詞で満ちあふれている。