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2010年2月7日日曜日

女は偉い


佐野洋子さんの『シズコさん』を読んだ。数年前に書評などで取上げられていて、佐野ファンの僕は気になっていたけれど、母親との関係を書いているとあって読む気が起きなかった。自分自身のことを重苦しく考えてしまうだろうと思ったのだ。佐野さんの本はゲタゲタ笑いながら読むのが一番良い。ようやく手に取ることができるようになったのは、僕自身が対親関係について何かを吹っ切れる見通しがついたからだろう。それにしてもあれこれ考えさせられた。

シズコさんも偉いが、佐野さんも偉い。自分の脚で立っている女は皆偉い。何しろ訳の分からない「オンナだから」や「オンナのくせに」を背負って立ち、そして歩かなければならないのだから。何万人もが殺され、強姦され、十万人もの人が故郷を捨てて難民にならざるをなっている。そのなかでも水を確保し、食事をやり繰りし、子どもや年寄りの世話をしているのは女性だろう。