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2010年2月17日水曜日

体調が悪いと


今月に入って二度目の風邪。先週前半は頭痛をともなう風邪、12日頃ようやく抜けたと思ったら昨夕から今度は咳こむ風邪。仕方がないので横になった。眠たくて仕方ないのだが、眠りすぎると夜に眠れなくなる。そこでメモを取らなくてもよいような軽い文庫や新書を用意した。

読んだ一つが、油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』岩波新書。400年に近い歴史を新書判にまとめたものなので、粗い素描のようではある。しかし、バランスよく書けている。何よりも僕にとっては、かの国を僕がなぜかくも嫌うのか、その訳がよく分かったのが収穫だった。
これまで僕は、身体に染み付いたような自分の嫌米意識は、わが誕生日の数日後に終日大空一杯に繰り広げられ、生まれたばかりの僕を一時として眠らせなかったという占領軍による『独立記念日』のデモンストレーションのため刷り込まれたものだと思い込んでいたのだ。

要するにアメリカ合州国という理念国家は、その初めから「自由」と「文明」の名の下に、原住民に対する殺戮につぐ殺戮を繰り返してくることによって成り立ってきた国家なのだ。対メキシコ戦争も対スペイン戦争もその延長。ジェノサイドは朝鮮戦争やベトナム戦争に始まったものではなく、この国の戦争には殆ど当たり前の付きものであるようだ。イスラエルには初めから立派なお手本があったといえる。油井さんは、彼らしく、それでも続いていたクウェーカーなどの平和運動を紹介している。しかしそれは血に塗りたくられた歴史の片隅に咲く小さな白い野の花だからこそ目立つに過ぎないようにすら見える。

あの旗についた星は髑髏そ、そして赤い縞は流された血を表している。僕の体調が良くないからだろうか、そう感じられてならない。