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2010年2月18日木曜日

Do you mind if I smoke? Yes.


厚労省は、飲食店、ホテル、百貨店など多くの人が利用する「公共の」施設の建物内での全面禁煙実施を求める健康局長名の通知を出すことを決めたそうだ。健康増進法の03年施行を受けて同年に厚労省が出した通知では、受動喫煙防止に向けて「全面禁煙」と、喫煙区域を設ける「分煙」を併記していた。

http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/law/index_3.html

07年には目標率や実施率を掲げることを促す通知を出し、今度は全面禁煙を原則とした。

僕は反ニコチニストだが、どうもこの手のお上の指導にはこつんとくる。

いつだったか、CDG空港のバス停で、煙草を手にした前の人が振り向きざまに、Do you mind if I smoke? と聞いて来たので、僕は Yes/Noを間違えることなく、確固としてOui, desoree, Monsieur. J'ai mal a la gorge. と穏やかに話すことができた(これは突っ張らかっていた若かった頃のお話し)。厚労省は、当事者同士が「吸っても良いですか」と尋ね、「いえ一寸」とか「お構いなく」とかやり取りがこの国ではあり得ないと思い込んでいるのか、仮にそうした会話があっても「禁止されていないから喫っても良い」と居直る人がいるだろうことを予め手回し良く心配してくれているのだろうか。

厚労省の有識者検討会とやらも、受動喫煙機会の減少を「事業者の義務とすべきだ」という報告書を4月にまとめるらしい。義務化には労働安全衛生法の改正が必要になる。しかし、義務化の根拠は一体どうなるのだろうか。受動喫煙による健康への悪影響は「科学的に明らか」、肺がん、循環器疾患、妊婦の低体重児出産などのリスク上昇という程度ならば、長時間労働や深夜労働の方を何とかしろと言いたくなる。