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2010年2月14日日曜日

労働者協同組合法


この国でもようやく労働者協同組合(ワーカーズコープ)を支える法制が作られることになりそうだ。

協同組合というと生協(生活協同組合)がなじみ深い。しかし、これは法制上では消費生活に係わる協同組合で、「生活に必要な物資を組合員に供給する事業」を中心にするものだ。これに対して労働者協同組合は、出資者自らが労働し、かつまた経営する(これを協同労働と呼ぶ)組合。この法制化をすすめてきた「<協同労働の協同組合>法制化をめざす市民会議」によれば、「人間らしく働き続けたい」という願いをもつ仲間・市民が集い、みんなで出資して仕事をつくり出し、みんなで経営に参画し、人と地域に役立つよい仕事に取り組む協同組合。それが、「協同労働の協同組合」ということになる。

スペイン、イタリア、フランスなどラテン系の欧州では、戦前からの歴史がある。アナーキズム運動と関係があるのだろう。スペインはバスクのモンドラゴンの協同組合グループは、スペイン最大手の家電メーカー「ファゴール」を含む製造業部門から農業、消費(つまり生協)、住宅、大学を含む学校にまたがり(ないのは軍隊くらいと言われる程)、それを支える労働人民金庫(つまり銀行)、共済組合など様々な領域の150以上の協同組合からなるグループで、92年段階で年間売り上げは約4千億円にのぼるという。

日本でも既に3万人をこえる人たちが「ワーカーズ協同組合」といったような名前の協同労働の事業体を作って働いており、事業規模は年間300億円を超えているという。雇用がなければ、自分たちで雇用を作って生活しようというのは、ごく普通の発想だ。法制化によってこの事業体も法人格を取って活動できることになり、社会的認知が高まることになる。

NPOの法制があるのに、どうしてこれだけの法制が今まで作られなかったか。それは協同労働の挑戦に左翼や社会主義の匂いを嗅ぎ取った人たちが少なくなかったからだろう。ところが、今回の議連立ち上げについては、「日経」や、右派とされる「読売」が「ワーキングプア対策 労働版生協」と取上げたものの、しばしば左派寄りと叩かれる「朝日」や「毎日」は取上げなかった。「日経」に至っては一面の中央で報じている。一体どうなっているのやら、、、

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100214ATFS1300W13022010.html

http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_08021206.htm

協同総研:労働者協同組合(ワーカーズコープ)の研究機関
http://jicr.roukyou.gr.jp/

「協同労働の協同組合」法制化をめざす市民会議
http://associated-work.jp/