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2010年1月15日金曜日

ハイチ


こう何年にもわたって世界各地で大災害が続くと、神が人間を罰しているのかと思いたくなる。だとしたら随分にこの神は不公平な神だ。
なぜ、NYやロンドン、東京、パリに大災害は起こらないのか。

地震が起こりにくい所に金持ち国の大都市(日本を除いて)が位置していることには、不公正はないのかもしれない。しかし、少なくとも災害後の対応で見る限りは、とても「人類皆平等」なんて言っていられないことは確かだ。貧しい国では被害は金持ち国と比べ物にならない程に大きくなる。ここには明らかに不平等、それも神ではなく私たち人間が社会的に作った不平等がある。

ハイチの人々の現状を見て何も感じないとしたら、それは自らが災害にあった時、困ったことに遭ったとき、「助けて!」と言えないことになる。そういう感覚がこの国では広がっているのではないか。

ハイチの人々には「助けてくれ!」という権利があるし、私達にはそれに応える人間的義務があるのではないか。この他者である同じ人間に対して寄せる心、同情や我がことのように思う心、これがなくなったら社会がなりたっていくのは難しくなるのではないか。

ハイチはカラブ海地域で歴史上初めて奴隷解放の革命に成功した栄光をもつ国だが、地震以前のハイチは、絶えず米国などの干渉を受け続けた貧しい国、正確に言うと貧しくさせられた国だった。世界を襲った2008年の食糧危機の際には、泥を混ぜたクッキーを食べる人も現れた。

http://www10.plala.or.jp/shosuzki/chronology/carib/haiti2.htm
http://10e.org/mt2/archives/200804/140243.php