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2009年7月2日木曜日

ジジイには盆栽

昨日は僕の誕生日だった。祝う気になれない。世話になった人たちにお礼を言わなくてはならないのだろうが、それもお返しを期待しているようで嫌だ。

昨日、数年前に退職した方の本を古本屋に引き取ってもらった。書棚一杯が何と1万円。そのあたりから憂鬱になってきた。

これはならじと、合間をぬって農場に行った。こういう気分の時には緑に限る。キュウリやトマトが実っている様子、裸になったジャガイモ畑の脇に繁り始め、昨日の雨に濡れ輝いている薩摩芋の葉。気持ちがよい。

話していると、いつも世話になっているHさんは、何と今年度で定年だという。寂しくなる。作業室のある小屋に戻ると、その前に欅などの盆栽が並んでいる。30年にわたって眺めてきた埼玉の欅だ。殺風景な都内に移ってしまった身には、懐かしく見える。「こういうのも良いですね」というと、「欲しかったら持ってって」と言う。「でも、折角ここまで手入れしたのに」と、本当は欲しいのを躊躇っていると、「やるって言う時に貰わないと駄目だよ」と言ってくれる。余程に物欲しげの顔をしていたのかと、少し恥ずかしくなるが、喜んでいただくことにした。嬉しい誕生祝。